女神さまからのおくりもの


女神さまからのおくりもの66


きよのためにも、清太のためにも、
これ以上いっしょにいてはいけない。
清太、お願いだから、すぐこの家
を出ていってほしい」
吉衛門は、清太にお願いしました。



「庄屋さま。今日一日だけ、この
家にいさせてください。
私は、おじょうさまと白駒に、そ
れとなくお別れがしたいのです」



「清太。今日、一日だけだぞ。
明日の朝早く、みんながおきないう
ちに、この家を出て行ってほしい。
きよには、何もいわないでおくれ。
たのむ、清太」



「わかりました」
清太は、心ならずもそう答えました。
でも、心の中では、こうさけんでい
たのです。
「おらは、きよちゃんと結婚できる
ような家に生まれたかった。
そして、きよちゃんと結婚したかっ
た」と。


            つづく



    前回の分はこちら。
   

http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101204#p1



    初めて読んでくださったかたへ


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