女神さまからのおくりもの43
「そうだったのか」
「清太さん。そうだったのかって、
どういうこと?」
「いやー、こんなことを、きよちゃ
んに話していいのかな」
清太は、話すのをためらっています。
「清太さん。なんでも話して。
かくしごとはいやよ」
「白駒。きよちゃんに、あの話をし
てもいいかな」
「話してもいいよ」というように、
白駒は「ひひーん」となきました。
「おらが庄屋の家へきて、十日くら
いたったある日。
夜中に、白駒がどこかへ走っていく
夢をみて、びっくりしてとびおきた。
心配になって、馬小屋をのぞいてみ
たら、白駒がいなかった。
おらは、必死で白駒をさがしてある
いた。
二時間後、白駒はなにくわぬ顔でも
どってきた。
庄屋さまのじまんの馬が、このまま
帰ってこなかったらどうしようと、
心配でたまらなかった」
つづく
前回の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101111#p1
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