女神さまからのおくりもの


  女神さまからのおくりもの95


「その木の実は、湖のほとりに
あるのですね」
「はい。でも、その木の実は、人
間の目にはみえません。
清太の心は、神様のように澄みき
っていました。



だから、何かの拍子に、赤い木の
実がみえたのでしょう。
清太に聞いたら、穴に落ちた時み
えたといっていました。
うまそうだったので、つい一つ木
の実を食べてしまったといってい
ました」



「じゃあ、清太さんは、もうこの
世にはいないのですね」
「はい、いません。
清太は、私たちの国で、心静かに
暮らしています。
あなたと暮らした八年間は、とて
も楽しかったといっていました」



「女神さま。清太さんが住んでい
る国へつれていってください」
「きよ。あなたを、つれて行くこ
とはできません。


             つづく



    前回の分はこちら。
   

http://d.hatena.ne.jp/youko510/20110103#p1



    初めて読んでくださったかたへ


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