八岐大蛇 2
「おまえたちは、何者じゃ」
「わしは、国津神・大山津見の子で、
足名椎。 妻は、手名椎。 娘は、
櫛名田比売といいます」
「なぜ泣いているのじゃ」
「わしには、娘が八人いました。 でも、
八岐大蛇が毎年やってきて、七人の娘
を食べてしまいました。 もうすぐ八岐
大蛇がやってきます。 この娘が、八岐
大蛇に食べられてしまうかと思うと悲し
くて・・・」
「八岐大蛇は、どんな姿をしているの
じゃ」
「それはもう恐ろしい怪物で。 目は、
ほおずきの実のように真っ赤。 一つ
の体に、頭と尾が八つ。 体には、杉
やヒノキがはえていて、こけがびっしり。
つづく
八岐大蛇 1