古事記神話「古事記物語」


   海彦山彦 10


「さあ、この舟に乗りなさい。
わしが舟を押すから、しばらくその
まままっすぐに行きなさい。 そう
すれば、よい潮の道がある。 その
道にそって行けば、魚の鱗のように
並んだ大きな宮殿がある。 それが、
綿津見神の宮殿じゃ」



綿津見神とは?」
「海の神様じゃ。 宮殿の入口に、
大きな井戸がある。 そのそばに、
桂の木があるので、木に登って待
っているがいい。  そうすれば、
海の神の娘がそなたをみつけてく
れるだろう。 そして、相談にの
ってくれるだろう」


       つづく