2016-03-20 女神さまとの約束 童話 女神さまとの約束 1 八ヶ岳のふもと、中山峠の近くに、 さいのかわらという山深い里があ ります。 そこには、長者屋敷とよばれる大 きな家があり、長者と娘が仲良く くらしていました。 娘の名前は、ふく。 父親おもいのやさしい少女でした。 「ただいま」 「とうちゃん。おかえりなさい。 寒かったでしょ」 「外は寒いね。 ふく。また雪が 降ってきたよ」 「また雪?」 「大雪にならなければいいが」 長者は、いろりのそばにすわりま した。 つづく