竜神になった三郎 13
二人は、三郎がうらやましくてし
かたがありません。
なんとかして、幸せいっぱいの三
郎を困らせてやろうと、二人は相
談しました。
人がうらやむほど、仲のよい兄弟
だったのに、どうしたのでしょうか。
「どうやったら、三郎をぎゃふん
といわせることができるかな」
二人は、何ヶ月もかけて相談しま
した。
兄たちがそんな悪い相談をしてい
るとは夢にも思わない三郎は、今
までどおり兄たちと仲良くしてい
ました。
山深い村にも、ようやくあたたかな
春がやってきました。
太郎と次郎は、今日もこそこそと、
悪い相談をしています。
つづく