竜神になった三郎


   竜神になった三郎 14


「次郎や、たてしな山の奥に、人
穴があるそうだ。その穴へ落ちる
と、二度と戻ってこられないそう
だ。その穴へ、三郎を突き落とし
てしまおうか」



「兄さん、そんなことをしたら、
三郎がかわいそうだよ。三郎だっ
て人穴のことは知っているし、その
計画は無理だよ」



「それもそうだな。ほかに何か良い
考えはねえかな」
二人は、会うたびに、三郎を困らせ
ようと相談しました。


       つづく