竜神になった三郎


   竜神になった三郎 30


三郎は、妻に会いたい一心で、休むこ
となく毎日歩き続けました。
「この道をまっすぐ行けば、本当に地
上へでることができるのだろうか」
「早くおっかあに会いたいな。おっか
あは元気でいるだろうか」
三郎は、妻のことばかり考えながら、
歩き続けました。



地の国をでてから、千日が過ぎました。
「おっ、かすかに光がみえるぞ。とう
とう村へついたぞー」
三郎は、大声でさけびました。



穴からでると、目の前には、なつかし
いたてしな山がみえました。
「やっと村へ帰ってくることができた・・・」
三郎はほっとしました。


         つづく