福寿草になった少女


   福寿草になった少女 2


しかし、長者には、たった一つない
ものがありました。
子宝です。



長者夫婦は、人がうらやむほど、仲
の良い夫婦でした。
しかし、なぜかこどもが授かりません。
「明神さま、どうかわしらに、元気
なこどもをお授けください」
そういって、二人は明神さまに朝晩
お願いしていました。



二人はこどもが大好きです。
「長者さま、あそぼ」
「おくさま、あやとりしましょ」
夕方になると、近所のこどもたちが
遊びにきます。 


         つづく