開善寺の早梅の精


   開善寺の早梅の精 7


年のころは、二十才。
いや、もっと若いかもしれません。
清楚な、美しい人でした。
女の人は、紅色の着物の上に、白
上着をきています。



「なんて美しい上品な人だろう。
梅の精みたいな人だ」
文次は、心の中でそっとつぶやき
ました。
「うわさ通り、美しい花じゃのぅ。
香りもすばらしい」
文次は、女の人に話しかけました。


        つづく