開善寺の早梅の精


   開善寺の早梅の精 15


「うまいっ」
文次は、思わず声をあげました。
こんなうまい酒を飲んだのは、
初めてでした。
酒からは、梅の花のいい香りが
ぷーんとしました。



「文次さん。歌をよんでくださ
いな」
「じゃあ、一句よみましょうか」
文次が、歌をよみました。
すると、
「次は、私がよみますね」
そういって、女の人は、すらす
らと歌をよみました。


       つづく