開善寺の早梅の精


  開善寺の早梅の精 14


床には、禅語の軸がかかってい
ます。
唐胴の一輪ざしには、梅がさし
てありました。
部屋の中は、梅の花の香りでい
っぱいでした。



「文次さん。ちょっと待ってい
てくださいね」
そういって、女の人は、奥へ入
っていきました。
そして、酒と料理を持ってきま
した。



「さあ、文次さん、どうぞ。体が
温まりますよ」
女の人は、文次に酒をすすめま
した。


         つづく