赤い夕顔の花

[童話]赤い夕顔の花


赤い夕顔の花 42


「一日も早く、戦のない平和な世の中になりますよ
うに」
お万は、心の中で祈りました。
お万と長五郎は、下条の追手を逃れ、一晩中山の
中を歩きました。


東の空が、だんだんに明るくなってきました。
「長五郎、疲れたでしょ。だいじょうぶですか」
「だいじょうぶです」
「もうすぐ朝になりますよ。戸口へ着いたら、そうべ
えさんの家へ寄り、少し休ませてもらいましょうね」
「お母さま。そうべえさんて、誰ですか」


         つづく