赤い夕顔の花

[童話]赤い夕顔の花


赤い夕顔の花 43


「以前、城で働いていた人ですよ。浪合の実家へ
帰る時には、いつもそうべえさんに送っていただ
いたのよ」
お万は、そうべえのことを、長五郎に話しました。


一時間後。
お万たちは、ようやくそうべえの家にたどりつきま
した。
「ごめんください。そうべえさんのお宅でしょうか」
「そうじゃが。どなたかな」
そうべえが顔を出しました。
でも、奥がたのお万だとわからないようでした。
うす汚れた野良着を着ているのですから、無理も
ありません。


        つづく