2020-01-25 赤い夕顔の花 [童話]赤い夕顔の花 赤い夕顔の花 51 「私は、権現城の城主・盛永の奥がた、お万で ございます。昨夜、下条の夜討ちにあい、浪合 の実家へ帰る途中です。ことわりもなく、夕顔の 花をとったこと、どうかお許しくださいませ」 再び、お万は、おばあさんにわびました。 「何、権現城の奥がただと。あのたわけた城主の 妻か」 「おばあさん。口がすぎます。夕顔の花をとった のは、奥がたではありません。このわしです。奥 がたには関係ありません」 そうべえが、おばあさんにいいました。 つづく