ふしぎな鈴

[童話]ふしぎな鈴


   小桜姫とふしぎな鈴 14


ところが、ある日、姫がおそれていた大きな戦が
始まりました。
それは、三年にもわたる、長いきびしい戦でした。
ひとつきに何度となくくりかえされる夜討ち、朝が
け、やあわせ、きりあい。
どっとおこるときの声、空をこがすのろし…。
戦はすざましいものでした。


「一日も早く、戦が終わりますように。どうかみんな
が無事でありますように」
姫は、一族のことを、毎日神様にお願いしました。
しかし、姫の祈りもむなしく、戦のさなかに、夫を
はじめ一族のほとんどが、城でうち死してしまった
のです。


         つづく





「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の童話
「ふしぎな鈴」に収録されています。


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「ふしぎな鈴」の価格は、現在 1540円です。