かきつばたになった少女

[童話]かきつばたになった少女


   かきつばたになった少女  27


山彦は、かきつばたの花が咲く頃、八島の湿原へ
かきつばたに会いに行きます。
そして、一日中かきつばたと一緒に過ごすのでした。

かきつばたがなくなってから、ニ千年の月日がすぎ
ました。
夏になると、八島の湿原には、何百本ものかきつば
たの花が咲きます。
かきつばたがなくなった後、二度とこんな悲しいでき
ごとがおきないように、神様のいいつけで、女神さま
たちは八ヶ岳のふもとの村を去りました。
そして、女神さまたちはあちらの国でくらすようになり
ました。


       つづく





「かきつばたになった少女」は、みほようこの四冊目の
童話集「ライオンめざめる」に収録されています。


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