愛犬りゅう「ばいばい、またね」

[童話]愛犬りゅう「ばいばい、またね」


「ぼくの主人は、お茶の先生?」 3


奥さんは「犬の飼いかた」という本を買ってきて、一生
けんめい勉強をしていたという。
「早くその家へ行きたいなぁ」
ぼくはその家へ行く日を、楽しみにして待っていた。



「おしっこがでちゃった・・・」 1


十二月九日。
その日はからりと晴れた良い天気だった。
今日は、社会科の先生の家へ行く日だ。
ぼくは、朝からそわそわしていた。


「その家へ行ったら、うんとかわいがってもらうのだよ。
おまえはきついから、気をつけないと・・・ね。元気で
くらすのだよ」
かあちゃんは、別れぎわにぼくにいった。
かあちゃんも元気でね」
ぼくは、かあちゃんに別れをつげた。
かあちゃんは、ぼくと別れるのがつらそうだった。


             つづく