あげはちょうになって

[童話]あげはちょうになって


あげはちょうになって 6


「ご先祖さま、広々したお墓ができて良かったね。気
持がいいでしょ」
かなとおじいさんは、ひとつひとつの墓に、線香をそ
なえ水をかけた。


「ご先祖さま。さあ、一緒に家に帰りましょうね」
かながそういった時、墓の中から一羽のあげはちょう
が飛び立った。
「おじいちゃん、あげはちょうが・・・」
「かな、みてごらん。あげはちょうだよ」
二人は、同時にさけんだ。


          つづく