[童話]お月さまの耳かざり
お月さまの耳かざり 6
「かあちゃん。大変、大変」
かなは、病気でねているおかあさんの所へ、とんで
行きました。
「かな、すてきな耳かざりね。どなたにいただいたの」
「散歩の途中で、お月さまから耳かざりをもらったの」
「お月さまから?」
「そう、お月さまからもらったの」
耳かざりをもらった時の様子を、おかあさんに話しま
した。
おかあさんは、乳にがんができて、この間手術をした
ばかりでした。
乳を切ってしまったので、おかあさんは手が上にあが
りません。
ふっくらしていたおかあさんの顔が、日毎にやせてい
くのをみて、心配でたまりませんでした。
つづく