霜柱

夕方、四時過ぎに散歩に行った。
中学校の横を通ったら、二センチ位の
霜柱がたっていた。 
霜柱をみたのは、久しぶりだ。
最後に霜柱をみたのはいつだっただろ
う?
懐かしくなって、靴で霜柱を踏んでみた。
さくさくと良い音がした。




小学校一年生まで住んでいた教員住宅
は、小高い丘の上にあり、まわりは畑
だった。 今の高校生位の人が、その畑
を作っていた。
冬になると、畑には霜柱がたった。
一センチや二センチの霜柱ではなく、
五センチ以上の長さの霜柱だった。
その霜柱を、さくさくと踏んで歩いた。
五十五年以上前の懐かしい思い出である。




その教員住宅の裏には、農業倉庫があ
った。 くわや草かき・スコップなどの
道具が入れてあった。 なぜか倉庫には、
こうもりが住みついていた。 昼間は良
いけれど、夜その倉庫の前を通るのが、
とても恐かった。 
真っ暗闇から、突然こうもりが飛び出し
てくるからだ。 あの頃住んでいた住宅
は、まだあるだろうか?