やれやれ・・・。


書きためてある童話を推敲しようと、推
敲を始める。



「ピンポーン」
玄関のチャィムがなる。
「はーい」
大声で返事をし、玄関へ急ぐ。
早くでていかないと、気の早い人がいて、
鍵をかけてある玄関のノブを、強くひっ
ぱる。




「どなたですか」
また、大声で聞く。
「。。。です。壁の塗り替えをしませんか」
「うちは結構です」
「そういわずに、ちょっと玄関をあけてくだ
さい」
「結構です」




部屋に戻り、童話の原稿を読む。
しかし・・・すぐには物語の中へ入ってい
けない。



十分後。
「リーン・リーン・リーン・・・」
電話のベルがなる。
「。。。。さんですか」
「いいえ、うちは。。。。です」
「。。。。。。ではないのですか」
「いいえ。個人の家ですよ。局番が違って
いるのではありませんか」
「間違いました」
こういう人は良い方で、いきなり がちゃ
んと、電話が切れる。
やれやれ・・・。




すると、また電話が・・・。
「。。。の宣伝をしているのですが・・」
「うちは結構です」
そういっても、相手は長々としゃべってい
る。
「ちょっと、忙しいのですが・・・」
「じゃあ、また後で電話をします」




「電話などしなくて結構・・・」
そうつぶやきながら、私はまた原稿を読む。
しかし・・・いくら原稿を読んでも、もう
物語の中へは入っていけない。




「ピンポーン・ピンポーン」
また、チャイムの音。
「あのチャイムのならしかたは、あのかた
だわ」
そう思いながら、玄関へいそぐ。
「どなたですか」
「回覧板です」
「ご苦労さまです」
回覧板を受け取り、ちょっと立ち話。



こんな毎日が続いている。
そのため、少しも童話の推敲ができない。
田舎の生活も、今や都会の生活と同じよう
に、なんとなくあわただしい。