すると、どうでしょう。
朝顔のつるが、するすると動き出した
のです。
まるでエスカレーターに乗っているよ
うな感じでした。
かなの家が、かなの住んでいる村が、
どんどん小さくなって、とうとう見え
なくなってしまいました。
朝顔のエスカレーターは、途中止まる
ことなく、空にむかってどんどんのぼ
っていきます。
「かなさん、つきましたよ」
その声で、かなははっとわれにかえり
ました。
つづく
「ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊
目の童話。
一昨年九月、「鳥影社」から発行され
ました。
挿絵は、長野ひろかず先生。
すてきな挿絵です。