明神さまの姿をみた少女6
小鹿は「こっちへおいで。こっちですよ」という
ように、つぶらなひとみで少女をみつめ、どこか
へさそっているようなしぐさをしました。
少女は何かにさそわれるように、小鹿の後をつい
ていきました。
小鹿は時々たちどまり、後をふりかえっています。
どこまでも続くすすきの原を、少女は小鹿の後を
ついて足早に歩きました。
どの位歩いたのでしょうか。
少女には長い時間歩いたような気がしました。
少女は小鹿に案内されて、丘の上にある小さなほ
ら穴の中へ入って行きました。
穴の中に入ってみると、中には広い部屋がありま
した。
大きなニ本のろうそくにてらされてみえたもの、
それはりりしい少年の姿でした。
つづく
「明神さまの姿をみた少女」は、みほようこの初めて
の童話集・「風の神様からのおくりもの」に収録さ
れています。
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
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