明神さまの姿をみた少女5
「この赤いちょうは、高原に住んでいるという
くじゃくちょうではないだろうか」
少女は赤いちょうの舞をみているうちに、幼い
時おじいさんから聞いた不思議な話を思い出し
ました。
「あの山のむこうにはなー、広い高原があるの
だよ。そしてその高原には、昔から大勢の女神
さまたちが住んでおられるそうだよ。
秋になるとな、女神さまたちが赤いきれいなちょ
うになって、広い高原を楽しそうにまうそうだよ。
とても美しい舞だそうだ」と。
少女が後をふりむくと、いつきたのでしょうか。
かわいい小鹿が少女の後にちょこんと立っていま
した。
小鹿の耳はたてにふたつにわれていました。
「この小鹿は明神さまのおつかいをしている小鹿
ではないかしら」
少女はなぜかそう思いました。
つづく
明神さまの姿をみた少女」は、みほようこの初めて
の童話集・「風の神様からのおくりもの」に収録され
ています。
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
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