明神さまの姿をみた少女 - みほようこの日記

明神さまの姿をみた少女　１０

「少女よ、よくきたのー。わしはおまえに会える日
をずーと待っていたぞ。わしは諏訪の神・明神じ
ゃよ。さっき松虫草のまわりをまっていた赤いちょ
うは、くじゃくちょうというのじゃ。

この高原にきても、くじゃくちょうはめったにみれ
んぞ。心の優しい少女がこの高原にきた時、赤
いちょうはどこからかでてくるのじゃ。今までくじ
ゃくちょうの舞をみたものは一人もいないぞ。お
まえだけじゃ。わしもあそこでみていたが、うっと
りするような、美しい舞じゃったのー」

　　　
　　　　　　　　つづく

「明神さまの姿をみた少女」は、みほようこの
初めての童話集「風の神様からのおくりもの」
に収録されています。

童話集「風の神様からのおくりもの」の価格は、
現在１４３０円です。