竜の姿をみた少女


 竜の姿をみた少女25


「はい」
かなは、大きくうなずきました。
「では、ほんのちょっと、おかあさんの姿を
みせてあげよう。
しっかり目をあけて、みるのだよ」
そういうと、おじいさんは、玉を何回かなで
ました。



「さあ、かな。玉の中をのぞいてごらん」
「あっ、かあちゃんだ!! かあちゃんが、
野原で花をつんでいる。
かあちゃん、元気? とうちゃんも私も、
元気だよ。安心してね」
かなは、玉にむかって、夢中で話しかけま
した。



「かあちゃは、あちらの国へ行っても、やっ
ぱり花が好きなんだね」
かなは、おかあさんの姿をみて、胸がいっぱ
いになりました。



「かな。残念だが、時間じゃ。おかあさんの
元気な姿をみることができて、良かったのぅ」
「おじいさん。かあちゃんの姿をみせていた
だきありがとうございました」
かなは、何度もお礼をいいました。


              つづく



童話「竜の姿をみた少女」は、童話「竜神
になった三郎」の続編。


童話「竜神になった三郎」は、みほようこ
の二冊目の童話集「竜神になった三郎」に
収録されています。



    童話「竜神になった三郎」


http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html




    童話集「竜神になった三郎」の紹介


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html



     ビーケーワン

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