かきつばたになった少女


 かきつばたになった少女12


「少女の頃、私は霧が峰で人間の少年に会っ
たの。そして、その少年と何度か会ううちに、
おたがいに好きになったわ。



でも・・・今もそうだけれど、人間の男性と
女神は、結婚することは許されていなかった
の。だから、私はその人と結婚することをあ
きらめたわ。でも・・・私はその人のことを
どうしても忘れることができなかった。



だから、誰とも結婚しなかったの。その人は、
その後おさななじみの人と結婚したわ。
そして、生まれたのが山彦。だから、山彦の
ことは、ずっと気になっていたわ」
「そうだったのね。私何も知らなかった」


             つづく



「かきつばたになった少女」は、みほようこ
の四冊目の童話集・「ライオンめざめる」に
収録されています。


 
童話集「ライオンめざめる」は、昨年十月、
「鳥影社」から発行されました。







       童話集「ライオンめざめる」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html




http://www.bk1.co.jp/product/2719469



http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31785511