笛の音よ、永久にひびけ


 笛の音よ、永久にひびけ8


二ヶ月が過ぎました。
かえでは、最後の葉を、たくさんつけること
ができました。
「最後の葉を、つけることができたぞー」
かえでは、大声でさけびました。



そして、大きな体を、ゆっさゆっさとゆらし
ました。 
「さわ、さわー」
「さわ、さわーー」
たくさんのかえでの葉のゆれる音が、丘にひ
びきわたりました。



「ばさっ」
「ばさりっ」
じゃまになるといわれた森の木が、大きな音
をたて、つぎつぎに切りたおされていきまし
た。



「チェーーン」
「チェーーン」
チェンソーの音でしょうか。
高い音が聞こえたかと思うと、あっという間
に、森の木がつぎつぎに切りたおされていき
ます。


              つづく



童話「笛の音よ、永久にひびけ」は、スキー
大会の会場をつくるためにきりたおされた、
信州志賀高原の樹令200年の楓のお話。



童話「笛の音よ、永久にひびけ」は、
みほようこの四冊目の童話集「ライオン
めざめる」に収録されています。








おとうさんからもらった誕生日のプレゼン
ト、ライオンのロケット。
そのロケットには、何千年も前の謎が秘め
られていた。
表題作ほか、霧ケ峰高原を訪れたときに、
風の神様から聞いた3つのお話を収録。




http://www.bk1.jp/product/02719469