女神さまとの約束


女神さまとの約束5


「貧しいみなりをしていたけれど、女
神さまのように美しい人だったね。
どこのかたかしら。なくなったかあち
ゃんに、にていたね」
長者とふくは、大雪の夜に泊まった女
の人の話をしました。



二人は、困っている人をみると、知ら
ん顔ができず、ときどき旅人を泊めて
あげていたのです。



夏のある朝。
「ふく・・・ふくー。早くきておくれ」
ざしきの方から、長者の声が聞こえま
した。
いそいでかけつけると、長者がたおれ
ていました。



「とうちゃん、どうしたの?」
「目がまわって、歩けないのだ」
「だいじょうぶ?とうちゃん」
「ああ、ちょっと休めば良くなるだろう」
そういって、長者は横になりました。


          つづく



信州の佐久地方には、「白駒の池」と
いう伝説があります。
「女神さまとの約束」は、「白駒の池」
の伝説をヒントにして、みほようこ
書いた物語。