守屋山に黄金色の花が咲いた3
少女は明神さまにいわれたように、今
まで以上に兄にやさしく接しました。
しかし心を病んでいる兄には、少女の
やさしい気持など少しも通じませんで
した。
それどころか、兄はいらいらして大声
をだしたり、理由もなく少女にあたり
ました。
そうかとおもうと、急にふさぎこみ、
何日も部屋からでてこない日もありま
した。
そんな兄に少女はどう接したら良いの
かわからず、ただおろおろするばかり
でした。
心のやさしい少女でしたが、そんなこ
とがたび重なると、兄をうとましく思
うこともありました。
つづく
童話「守屋山に黄金色の花が咲いた」
は、みほようこの初めての童話集「風
の神様からのおくりもの」に収録され
ています。
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
- 出版社/メーカー: 鳥影社
- 発売日: 2001/08
- メディア: 単行本
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