守屋山に黄金色の花が咲いた


  守屋山に黄金色の花が咲いた3


少女は明神さまにいわれたように、今
まで以上に兄にやさしく接しました。
しかし心を病んでいる兄には、少女の
やさしい気持など少しも通じませんで
した。



それどころか、兄はいらいらして大声
をだしたり、理由もなく少女にあたり
ました。
そうかとおもうと、急にふさぎこみ、
何日も部屋からでてこない日もありま
した。



そんな兄に少女はどう接したら良いの
かわからず、ただおろおろするばかり
でした。
心のやさしい少女でしたが、そんなこ
とがたび重なると、兄をうとましく思
うこともありました。


            つづく



童話「守屋山に黄金色の花が咲いた」
は、みほようこの初めての童話集「風
の神様からのおくりもの」に収録され
ています。








風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話




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