守屋山に黄金色の花が咲いた


   守屋山に黄金色の花が咲いた6


「少女よ、少女よ。目をさますのじゃ。
こんな所でねていると、かぜをひくぞ。
わしはこの山に住んでいる明神じゃ。
今日はおまえに良いものをみせてあげ
よう。わしの後をついておいで」
その声はいつか聞いたことのある明神
さまの声でした。



少女は声のする方にむかって歩いてい
きました。
どのくらい歩いたのでしょうか。
ふもとのひあたりの良い場所についた
時、少女はあっと驚きの声をあげまし
た。



何百年もの間、おおぜいの人が探して
もみつけることができなかった黄金色
の花が、どて一面に咲いているではあ
りませんか。
それも一本や二本ではありません。
そこには百本…いや千本…ニ千本、数
えきれない位の黄金色の花が咲いてい
たのです。



黄金色の花は太陽にあたり、きらきら
と輝いていました。


                つづく



童話「守屋山に黄金色の花が咲いた」
は、みほようこの初めての童話集「風
の神様からのおくりもの」に収録され
ています。








風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話




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