白駒の池物語


  白駒の池物語16


白駒は、どこにもいません。
白駒は、長者が宝物のように大切
にしている馬。
白駒がみつからなかったらどうし
よう。



おじょうさまは、大好きな白駒が
いなくなったら、がっかりするだ
ろうな。
二人の顔が、目にうかびました。



「なんとしても、白駒をみつけな
くては」
清太は馬に乗り、白駒を探して歩
きました。
でも、白駒はみつかりません。



一時間後。
「もしかしたら、馬小屋にもどっ
ているかもしれない」
そう思った清太は、急いで馬小屋
へもどりました。



白駒がいました。
白駒は、何事もなかったかのよう
に、草を食べています。


          つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。