白駒の池物語


  白駒の池物語24


「おじょうさま。諏訪の神様は、
何とよばれているか、知っている?」
「明神さまでしょ」
「よく知っているね。諏訪の神様
は、諏訪明神とよばれている。



農耕の神様・狩猟の神様・風の神様
ともよばれているんだよ。
諏訪大社は、日本で最も古い神社
の一つなんだって。



おらも、この家にくる前は、かあ
ちゃんと一緒によくお参りにいっ
たよ」
清太が、故郷の諏訪のことをくわ
しく話してくれたのは、今日が初
めてでした。



「さあ、おじょうさま。遅くなる
といけないから、急いで馬小屋へ
行こう」
「清太さん。二人だけの時は、お
じょうさまなんてよばないで。
きよって、よんで」


           つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。