白駒の池物語66
「おじょうさまですか。
おじょうさまは美しいし、やさしい
し、すてきなかただと思いますが」
「いや・・・清太・・・そういうことを
聞いているのではなくて、つまり・・・
その・・・清太は・・・きよのことが
・・・好きかどうかと聞いているのだ」
長者は、どう聞いたらよいのかわ
からず、口ごもってしまいました。
「おじょうさまのことなど、何と
も思っていません」、清太がそう
いってくれるのを、長者はひそか
に期待していました。
ところが・・・。
「おら・・・いや私は、おじょうさま
のことが大好きです。
この家にお世話になった時から、
おじょうさまのことが好きでした」
清太は、長者の目をみて、そうい
いました。
つづく
「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。
昨日の分は、こちら。
白駒の池物語65
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081010#p1
初めてこの物語を読んでくださった
かたへ
白駒の池物語1
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1
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