白駒の池物語


  白駒の池物語68


「はい、わかっております。
私が家柄のいい家に生まれて
いたら、おじょうさまと結婚させ
ていただきたいと、長者さまにお
願いしていると思います」



「何だと!! 清太」
長者は、ますます興奮して、大声
でいいました。
「おれは、清太のことを、いつも
じまんに思っていたのに。なぜだ」
長者は、自分がみじめでした。



「でも・・・おら・・・私の家は、貧しい。
食べていくのが精一杯です。
それに、家柄がちがいすぎます。
だから、どんなにおじょうさまが
好きでも、おじょうさまと結婚さ
せてくださいとはいえません。



・・・いや、いってはいけないと思
います」
清太は、自分にいいきかせるように、
静かにいいました。


             つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


   白駒の池物語67


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081012#p1




初めてこの物語を読んでくださった
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    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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