白駒の池物語


  白駒の池物語70


長者さまには、私の気持を知って
おいていただきたいと思い、つい
話してしまいました。
どうか失礼をお許しください」
清太は、深々と頭をさげました。



清太のような青年が、きよのむこ
になってくれたら、どんなにいい
だろう。
そして、二人で力をあわせ、この
家を守ってくれたらどんなにうれ
しいことか。
長者は、そんなことを考えていた
のです。



「清太。おまえの気持は、よくわ
かった。
残念だが、これ以上わが家で働い
てもらうことはできない」



「なぜですか、長者さま。
おじょうさまのことは、今日限り
きっぱり忘れます。
どうか今まで通りここで働かせて
ください。お願いします」
清太は、長者にお願いしました。


             つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


   白駒の池物語69


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081014#p1




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    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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