白駒の池物語


  白駒の池物語56


夕やみの中で、ゆうすげの花だけ
が、くっきりうかびあがってみえ
ます。



「ゆうすげの花って、ほんとに美
しい花ね」
きよは、うっとりしながら、ゆう
すげの花をみています。
清太には、きよがゆうすげの精の
ように見えました。



おらは、きよちゃんが大好き。
でも・・・きよちゃんは、長者のおじ
ょうさま。
おらは、長者の使用人。
どんなにきよちゃんが好きでも、
おらはきよちゃんと結婚すること
はできない。
清太は、自分の心にいいきかせま
した。



「清太。おまえは、きよをあきら
めることができるのか」
どこからか声が聞こえてきました。
清太は、はっとしました。


            つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


   白駒の池物語55


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080930#p1




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    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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