白駒の池物語


 白駒の池物語49


「今夜、ゆうすげの花が咲きます
ように」
清太は、心の中で祈りました。



「ゆうすげって、日光きすげのよ
うに、群落にはならないのかしら」
「そういえば、あっちに一本、こ
っちに一本という感じだね。
じゃあ、ここで暗くなるのを待と
うか」



「清太さん。ちょっと早いけれど、
むすびを食べよう」
二人は、むきあってすわりました。
「清太さんと二人っきりで食事を
するのは、今日が初めてね」
きよは、はしゃいでいます。



「きよちゃんがにぎってくれたこ
のむすび、とってもうまい」
「おいしいでしょ。清太さん」
「うん。うまい」


            つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


   白駒の池物語48


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080923#p1




初めてこの物語を読んでくださった
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    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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