白駒の池物語40
「知っているわ。とうちゃん」
「夕方遅く、清太と二人だけで出
かけるのかい」
「そうよ。二人でみに行くの。
とうちゃん、ゆうすげの花をみに
行ってもいいでしょ」
「きよ。おまえは、嫁入り前の大
事な体なんだよ。
今、縁談の話もいくつかあるしね」
「とうちゃん。清太さんは、誠実
な人よ。だから、心配することは
何もないわ」
きよは、きっぱりいいました。
「とうちゃんも、そう思う。
清太は、ほんとにまじめないい青
年だ。でも・・・長者の娘が、夕方
遅く、使用人と二人だけで出かけ
たなんて、村の人たちにいわれて
も困るしね」
長者は、まよっているようでした。
つづく
「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。
昨日(9月14日)の分は、こちら。
白駒の池物語39
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080914#p1
初めてこの物語を読んでくださった
かたへ
白駒の池物語1
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1
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