白駒の池物語


  白駒の池物語27


「いいわ、清太さん。二人だけの
時は、きよちゃんってよんでね」
「はい、わかりました。きよちゃん」
清太は、てれくさそうにいいました。
そんな清太を、きよはうれしそうに
みています。



「白駒。出発するぞ」
清太が、白駒に声をかけました。
「清太さんは、白駒が好きなのね」
「うん。おらは、白駒が大好き。



白駒も、おらを好きだと思うよ。
ねぇ、白駒」
白駒は、「私も、清太さんが大好
き」というように、「ひひーん」
と鳴きました。



「私、清太さんと一緒に、馬を走
らせている時が一番幸せ」
「おらも。きよちゃんと一緒にい
る時が、一番幸せだよ」
夢中で話をしているうちに、二人
は高原へつきました。


           つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。