白駒の池物語83
湖のまわりを歩いているうちに、
清太の心は再びゆれはじめました。
いっそ、この湖で死んでしまおうか。
いやいや、そんなことをしてはいけ
ない。おらが死ねば、きよちゃんが
悲しがる。
きよちゃんを悲しますことだけはし
てはいけない。
おらが死ねば、とうちゃんもかあち
ゃんも、悲しむだろう。
親より先に死ぬことはできない。
でも・・・おらは、きよちゃんのこ
とを忘れることができない。
いろいろな思いが、頭の中をよぎり
ました。
ふと、向こう岸をみると、きよにそ
っくりな女の人が立っていました。
「きよちゃんだ!! きよちゃん。
いつここへきたのー」
清太は、大声で聞きました。
つづく
「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。
昨日の分は、こちら。
白駒の池物語82
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081027#p1
初めてこの物語を読んでくださった
かたへ
白駒の池物語1
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1
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