白駒の池物語


  白駒の池物語33


「おら、きよちゃんと初めて会っ
た時、ほんとにびっくりした」
「なぜびっくりしたの」
「ふくちゃんにそっくりだったから。
ふくちゃん、やっぱり生きていた
んだねって、いいそうになった」



「私たち、そんなによく似ている?」
「ああ、よく似ている。姉妹でも
ないのに、なぜ似ているのだろう。
まるで双子みたいだ。
顔も似ているが、むじゃきでかわ
いいところがそっくりだ。
二人とも、笑顔がすてきだね」



「清太さん、ありがとう。
私、うれしいわ」
きよは、うれしそうでした。



「きよちゃん。座禅草の花ことば
を、知っている?」
「知らないわ。教えて」
「座禅草の花ことばは、沈黙の愛
だって」


             つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



初めてこの物語を読んでくださった
かたへ


    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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