白駒の池物語34
「沈黙の愛って」
「さあ・・・」
清太は、知っていました。
でも、てれくさくていえませんで
した。
なぜなら、清太は、きよが大好き
だったからです。
二人は、座禅草が咲いている高原
を、ゆっくり歩きました。
目の前に、八ヶ岳連峰がみえます。
「きよちゃん。あの山、何という
山か、知っている?」
一番高い山を指さし、清太がいい
ました。
「赤岳でしょ」
「そう、赤岳だね。じゃあ、とな
りの山は」
「わからないわ」
つづく
「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。
初めてこの物語を読んでくださった
かたへ
白駒の池物語1
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1
「次の日」「次の日」と押せば、
「白駒の池物語」を続けて読む
ことができます。