白駒の池物語


  白駒の池物語74


その日。
清太は、いつもより念入りに、馬
小屋の掃除をしました。
そして、馬たちを小川へつれてい
き、ていねいに馬の体を洗いました。
どの馬も、みちがえるようにきれ
いになりました。



「今日で、お別れだね。
今までありがとう。元気でくらす
のだよ」
清太は、馬たちに声をかけました。



清太は、どの馬も好きでした。
でも、白駒は、特別な馬でした。
白駒は、きよとの思い出につなが
る大切な馬だったからです。



白駒の背にきよをのせて走ること
は、もうないのだなと思うと、清
太はさみしく思いました。
「白駒。たくさんの楽しい思い出
をありがとう。
元気でくらすのだよ」



白駒は、何かを感じたらしく、清太
にすりよってきてあまえました。 
その夜、清太はきよのことを考える
と、なかなかねつくことができませ
んでした。




             つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


   白駒の池物語73


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081018#p1




初めてこの物語を読んでくださった
かたへ


    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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