白駒の池物語


  白駒の池物語87


「うまいっ」
清太は、思わず声をあげました。
一歩も歩けないほど疲れていたの
に、木の実を食べたとたんすーと
疲れがとれました。
あんなに腹がへっていたのに、木
の実を一つ食べたら、おなかがい
っぱいになりました。



清太は、湖のほとりで、ごろんと
横になりました。
雲ひとつない真っ青な空。
青く澄んだ湖。
「気持いいなぁ」
そうつぶやくと、清太は深い眠り
に入っていきました。



どのくらいの時間がすぎたのでし
ょうか。
「清太」
「清太」
どこからか、やさしい声が聞こえ
てきました。



「あっ、この声、聞いたことがある」
「そうだ。この声は、白駒がどこか
へ出かけた時に聞いた声と同じだ」
「清太、こっちですよ」
清太は、声のする方に向かって歩い
て行きました。


             つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081031#p1




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    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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