明神さまの姿をみた少女


  明神さまの姿をみた少女2


少女が明神さまへ千回目のお参り
にいった日。
ひとっこ一人いない静かな境内を、
ぴゅーと心地よい風が通りすぎて
いきました。



「なんて気持のよい風だこと」
少女がそうつぶやいた時、社の方
からおごそかな声が聞こえてきま
した。



「おまえは兄思いの優しい少女じゃ
のー。兄の病気はじきによくなるだ
ろう。
いつまでも今の優しい気持をわすれ
ずに生きていくのじゃよ。



わしは時々少年の姿になって、諏訪
の地をあちこちみて歩いているので、
おまえのことも兄のこともよーく知
っているぞ。これからも兄と仲良く
するのじゃよ」
その声はいつかどこかで聞いたこと
があるような、なつかしい声でした。


             つづく



     昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20081211#p1/



「明神さまの姿をみた少女」は、
みほようこの初めての童話集
「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。



童話集「風の神様からのおくりもの」
は、信州諏訪の「風の神様」から聞
いたお話。 








風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話




http://www.bk1.jp/product/02056682




「鳥影社」へ直接注文することも
できます。

  送料は無料


http://www.choeisha.com/