井戸で鳴く黄金色のにわとり


 井戸で鳴く黄金色のにわとり7


「平和な世の中が、いつまでも続
きますように。
そして、おとうさまが、大好きな
絵や書をたくさんかけますように」
姫は、そう祈りました。



天正十年(1582年)二月。
大島城に、戦の知らせが届きました。
織田軍が、伊那谷へせめてくると。
「織田というと、信長か?」
「いや、長男の信忠じゃ」



「信忠か・・・」
「信忠といえば、信玄さまの娘・松
姫さまの婚約者だった人。
婚約者の父の城を攻めてこなくては
ならない信忠の気持は、複雑でしょ
うな」


           つづく



   昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100116#p1



  初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100111#p1



「井戸で鳴く黄金色のにわとり」は、
信州の伊那谷にあった「大島城」に
伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いた物語。