ふしぎな鈴


  ふしぎな鈴16


大江家の一人娘が、なぜ三浦家
へとついだのかって、ふしぎに
思うでしょうね。
おとうさんは姫にこどもが生ま
れたら、一人大江家のあととり
にするつもりだったようです。



しかし、仲のよい夫婦でしたが、
何年たっても、こどもは授かり
ませんでした。


    
その頃、三浦一族は、小田原の
北条氏と、土地をめぐる争いを
していました。
「くだらない争いをやめ、みん
な仲良く暮らせばいいのに」
争いごとがきらいな姫は、みん
なが平和に暮らせることを願っ
ていました。



ところが、ある日、姫がおそれ
ていた大きな戦が始まりました。
それは、三年にもわたる、長い
きびしい戦でした。


            つづく



    前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100628#p2



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1



「ふしぎな鈴」は、みほようこ
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。









リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。